My Ending Note
ガンを発症した、しかしその事実を私は知らない。
妻や息子に対して、その事実が告げられ、
余命半年の宣告を受ける。
息子は迷い、そして妻はうろたえた。
その夜離れて暮らす妻を自宅まで送り届けた後、
息子は車を運転しながら、
一人静かに私との思い出に浸りながら、
そう遠くない先に訪れるであろう、
私との別れを思い、そっと涙を流した。
私に病気のことを告げるべきかどうか。
仕事に身が入らない。
1ヶ月あまりのときが流れた。
息子は病床の父を連れ出し、
その病名を伝えるつもりでいたが、
本当の病名が伝えられることはなかった。
自分がもし余命いくばくもない状況となり、
それを家族が知りえたときに、
本当に自分はその事実を受け入れることが
できるのだろうか。
自分に突然不幸が訪れ、もしものことがあったときに、
子供たちは、妻は、どうするのだろうか。
エンディングノートを前に、その中を埋めるべく、
今一度、真剣に自分の家族とは?自分の人生とは?
を問い直すこととなりました。

数年前に父が置かれた状況に私を、
息子である私の状況に息子たちを
置き換えてみると、
そしてあの時病床で
日に日にやせ細っていく父の姿に
自らの姿を投影すると、その答えが
見えてきたような気がしました。
自分自身が大いに悩み、そして父に対して
どうしても本当の病名を
伝えることができなかったことを思い出し、
その役目で息子たちを苦しめないで済むように、
妻を悩ませることがないように
自らの意思をきちんと示しておこうと。
そして少しでも自分の足跡を示す事ができれば。(傳法)
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